プレゼン思考-ロジカルメッセージとエモーショナルメッセージ1

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最近はプレゼンと名のついたhowto系の類似記事や書籍が多すぎてうんざりしています。具体的howtoの勉強は、技術系howtoを除けば、ほぼ時間の無駄です。自分で考えたほうが早いですからね。時間対効果の低いものを覚えても仕方ないので、ここではその上位概念に当たる部分に触れようを思います。ここではそれを「プレゼン思考」と名付けています。何かしらのメッセージを伝えるツールを作成する場合において、そのプレゼン思考には大きく2種類があります。それは理性に訴えかけるロジカルメッセージと、感情に訴えかけるエモーショナルメッセージです。このロジカルメッセージとエモーショナルメッセージは実例を見せた方がわかりやすいと思いますので、下に挙げます。
<ロジカル>30%の○○UP!
<エモーショナル>巷で大流行!
<ロジカル>○○売上up見込み
<エモーショナル>競合他社も導入しています
これは文字に限らずに言えることで、
<ロジカル>説明目的の写真(イラスト)
<エモーショナル>イメージカット
<ロジカル>手順を示すアニメーション
<エモーショナル>感情を動かすアニメーション
<ロジカル>情報グループによって色分け
<エモーショナル>色相心理を活用
そのプレゼン、企画書上のロジックで必要な情報がロジカルメッセージです。論理、説明、根拠などがそれにあたるキーワードです。対してエモーショナルメッセージは受け手にとって、感情を煽る要素となるものです。念のため言っておきますが、作成者個人の感情ではありません。受け手にとって、です。
つまり、文字ばかりのスライドでも、明確なデータを根拠にしていない物はエモーショナルメッセージです。逆に豊富なビジュアルのスライドでも、説明目的ならロジックメッセージです。
また、一見根拠になりそうなデータをあげていても、「80%の人が興味を持っているから売れます」というのはエモーショナルメッセージです。興味をもっても、売れるかどうかをロジックで説明していませんよね。逆に「興味を持っている人の○%が購入するというデータがあります。ちなみに興味を持っている人は80%です。」となればロジカルメッセージです。これが、ロジカルメッセージとエモーショナルメッセージです。
実は、プレゼンや企画書というのは、ほとんどがエモーショナルメッセージです。業界や製品などによって手にはいるデータの種類や量は異なりますが、それっぽい根拠を出しているけれど、ロジックだけでは作りきれないのが現状です。データサイエンスに予測モデルはありますが、技術者ならともかく、現状は多くの人にとって使いやすいものになっていません。多くの人が使うのは、せいぜい前提に分析結果をおく程度です。様々ツールが増えてきているので、いずれは非技術者でも使える予測モデルも揃うでしょう。そのため、今後のプレゼン、企画書づくりは、よりロジックな方向に進んでいくわけですが、その前にエモーショナルメッセージを使いこなせるようになる必要があります。なぜ必要かについて、下のケースを見ましょう。
「スライドを作成してみたら、文字ばかりになってしまったから、個人的な好き嫌いを判断基準に適当な飾りを入れた」「見た目がつまらないので図表に飾りづけをした」
意外とこういう話は多く、吐き気を感じますが、「プレゼン思考」には2種類、ロジカルメッセージとエモーショナルメッセージです。このケースでは、個人の好みとか個人の感性で見た目が寂しいからなどという、カリスマ店員のような理由でよく分からない物を入れています。これはエモーショナルでもロジックでもないので不要です。シンプルに作る必要はありませんが、そのプレゼンの目的は1つでメッセージは2種類と、シンプルに考える必要はあります。目的のために、必要な情報をロジックとエモーショナルで整理し、配置したら完成なのです。
次にエモーショナルメッセージの注意点をみます。
1.面積が必要
ロジックを配置する場合は、1スライド1内容とし、画面に配置すればよいのですが、エモーショナルを配置する場合にはサイズが大きく影響します。例えば、顧客の感情に訴えかけることが期待できる良い写真があったとしましょう。しかしその写真を小さく配置してしまっては、その効果は期待できません。要するに、エモーショナルメッセージには一定の面積が必要なのです。そうすると、ロジック上は1スライド1内容としたくても、ロジックだけでは不十分であり、エモーショナルメッセージが必要になったとき、2スライド1内容が良い、という結論になります。
2.胡散臭さとの戦い
感情に訴えかけるだけのプレゼンでは、〇〇商法のように、胡散臭くなりますよね。その場合、どの程度から胡散臭いと感じるかについては、業界ごとの慣れや個人差など多くありますが、大雑把な目安として、3スライド以上1メッセージがよいでしょう。例えばエモーショナルメッセージとして、「流行っているから今買わないと乗り遅れますよ」と伝えたいとすると、扉ページの写真で表現したらその後の2ページはロジックメッセージのみとします。もしくは、結論をエモーショナルメッセージとするのであれば、その前段となる部分ではロジックメッセージにします。多くとも3スライドに1つにしておきましょう。
3.品質の影響
エモーショナルメッセージには、その品質が大きく影響します。例えば、写真やイラストを使った場合、粗悪な写真では、感情に訴えかけることができません。また文字で表現する場合にも、粗悪な文章では感情に訴えかけることはできません。このようにロジックメッセージとは異なり、品質が大きな影響をおよぼします。説明目的の写真のように適合性で選択するのではなく、感情に訴えかけられそうな度合いで判断します。

エモーショナルメッセージについては、実例の方がわかりやすいのですが、
文章と違って作成に時間がかかるので、また別の機会に。




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