プリント用資料と画面用資料を分けてつくるのは無駄。同じ方がいい。

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日本企業のプレゼン資料はごちゃごちゃしている。
よく言われている話ですが、原因はプリントして使用する資料を、画面でプレゼンする場合にも使用していることが大半です。だから、画面でプレゼンする際には、画面に最適化した資料をつくるべき、という話が出てきます。
ですが、これでは効率が悪い。プリント資料を禁止にしているIT企業はともかく、多くの企業では資料をプリントし、営業先で配ったり、上司同僚と共有したり、タブレットで見せたり、スマホで確認したりしています。
そして、昨年の提案内容や前回の企画内容をPowerPointデータで保存し共有しているんですね。これを、時にはプリント用、時には画面用に作り直していたら、時間がいくらあっても足りません。プリント用だけと決めて作っていれば、一部のページは昨年作ったものを流用(コピペ)するだけで済みますから、その方が効率がいい。画面用に作り直していたら、ブラック企業が増えるだけです。最近はPowerPointで資料ばかり作っている仕事の人が増えていますから、なおさらです。
では、画面用の資料だけ外注するのはどうか。これは、一部の場合では正解です。しかし、多くの場合には不可能です。それは、要するに予算です。予算を使うということは、それ以上の利益がでなければいけません。仮に100万円を使うとしたら、少なくとも500万円は営業利益がでて欲しいところです。ですが、画面で行うプレゼンテーションだけを見て500万円以上の利益が出る発注が取れることなんてほぼありません。画面で説明できるのはせいぜい概要や要約だけですから、その他の手段も必要です。画面だけで売れるものを大量に売るという場面では、そもそも動画で作成した方がいいですしね。採算が合う場面は会社役員ですら年に何度もないでしょう。
ここまで読まれた方にはプリント用資料をそのまま画面に使用する方が良いことはおわかりでしょう。あとは、普段のプリント用の資料の概要部分や大切な部分を画面でも読める文字サイズにしておけば、なにも問題ありません。
プリント用を画面でも使用できるように作っておく時に重要なポイントは多くありません。まず、画面では読ませなくてもいい詳細情報と、画面でも読ませたい概要情報に分けます。それで、概要情報は大きい文字で、詳細情報は小さい文字で記載するだけです。特に、画面用では文章より図解が重要になりますから、概要を図解で表現します。そして、詳しくは細かい文字をプリント資料もしくはデータを手元で見てもらいます。これだけです。タイトルと概要を表す図を画面でも見えるくらいの文字サイズで作り、詳細情報は手元でないと見えない小さな文字サイズで作ればいいだけです。これで余計な残業を減らした少ない労働時間でそれ以上の効果が期待できます。将来PowerPointにwebサイトのようなアコーディオンメニューの機能がつき、プリント時には自動的に別ページとして出力されるようになれば、また話は変わりますが、現状のプレゼンソフトにこのような概念をもつ物はありませんがら、期待できないでしょう。
前述したように、よほどビジネスインパクトの大きいプレゼンの時は、動画か画面用スライドを発注しましょう。まれにしかない機会のためにスキルアップするなんて無駄ですから。
ちなみに、アイコンや写真を多く使う方が良いというのも間違いです。アイコンや写真も文字サイズ同様に見る距離によって適したデザインや作り込みは変わります。
これは、また機会があれば書きます。




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